無双烈鋼サイバリオー
「トドメだ、白骨芋虫!」
完全にアンリマットの死角に入ったフーライボウは、その正拳で巨大な骸骨の後頭部を粉砕すべくモーションに入っていた。
『…青いわ、餓鬼め』
「!!?」
今まさに、殴ろうとする狙い定めた魔王の背の一点…
そこにパックリ生じた亀裂は背中全体に走り、全てを呑み込まんとするほどの巨大な口となった!
覗き見えるその口の中は無限の闇のようであり、底が見えない…
「く…おっ!!」
咄嗟の判断で体勢を変え、口の淵を蹴り飛ばして緊急回避するフーライボウ。
空中での無理な回避運動は、機体を地面に叩き付ける結果となった。
「ぐっ…
兄者、今のは…?」
「…恐らく別次元への入口だ。
あれに取り込まれたらフーライボウはおろか、俺達までも次元の狭間を永遠に彷徨することになる。
ちっ、流石は魔王…
一筋縄では行かないって訳か」
フーライボウを立ち上がらせる阿行に対し、アンリマットは
『ほう。
よく堕ちなかったものだ。
我が身体の内部は、光さえも逃れられぬ無限の混沌。
堕ちたが最後、どこの世界に飛ばされるかは我にも皆目見当がつかぬ』