無双烈鋼サイバリオー
雷堂、星羅、そして遅れて来た長船は、それぞれバリマシン甲・乙・丙を呼んだ。
バリマシンは普段、甲は天橋立、乙は松島、丙は宮島…
つまり『日本三景』にある秘密格納庫で待機している。
観光地が秘密格納庫だというのは、ひとえにカモフラージュの他ならない。
格納庫は無人で、バリマシンを自動でフルメンテナンスする。
そして雷堂達『闘燃志瞳』を持つ者の念を感じ取り、バリマシンはコールから出撃まで6秒という短時間で発進することができるのだ。
「しかし…
古代文明の産物が、現代科学の組み込みを受け付けるんですかね?」
長船の問いに、服部に代わってマユリが答えた。
「それなら大丈夫です。
データは私の脳から直接スキャン入力されますから」
マユリはバリマシン・甲の座席に座り、静かに目を閉じた。
ズワゥイーン…
静かな機械音とともに、スキャンが始まった。
時折ピクッと身体を震わせながら、眉をひそめるような表情を浮かべるマユリ。
そして数十秒後…
ピピッ
「…ふう、終了です」
うっすらと額に汗を滲ませながら、マユリは座席を離れた。