初恋リミット
「何で知ってるの!?せっかくビックリさせてやろうと思ったのにー!」

悔しくて怜士の服を掴んで揺さぶってみるけど、全く効いていない。

「何でって、見てりゃわかるじゃん。気付いてないのは茗子本人とユズくらいじゃね?」

「あっそ。私が鈍感だって言いたいんだね。わかりましたよー。どーせ私は鈍感だもん」

見下すような発言にぷくーっと頬を膨らませる。
すると怜士は手を伸ばして私の頭を撫で始めた。小さい子供をあやすようにヨシヨシと頭を撫でられたら拗ねているのが馬鹿らしくなってきた。
観念して怜士から顔を逸らし、ポスッと布団に顔を埋める。

「で?」

頭を撫でる手が離れ、そのまま私の手に重なり、自然に繋がる。
怜士の方に顔を向けるといつものように微笑んでいた。

「話はそれで終わりじゃないんだろ」

「あーそうだった!私ね、茗子とコウスケはすっごくお似合いだと思うの!」

「そうだな」

「両想いなんだから早くくっつけばいいのに」

そう言いながら怜士の指を弄る。

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