初恋リミット
『この夏再び同窓会を開くことになりました。頼むからみんな集まってくれよ!!待ってるからな!!絶対参加しろよ!!

     高井戸翔太』



というメールが届いた。
成人式のあとに同窓会を開いたと聞いていたんだけど、このメールを回しているということはあまり集まらなかったみたい。
私は成人式にも同窓会にも参加しなかった。もともと出席するつもりもなかったんだけど。だから、今回も欠席しようと思っていた。
不参加の意を伝えようとメールの返事を打っていると、このメールを転送してきた親友から電話がかかってきた。

「もしもし」

『あ、ユズ?メール見た?』

親友であるメイコとはマメに連絡を取っている方だけど、最後に会ったのはいつだったろう。声を聞くのも久しぶりな気がする。

「うん。今どうしようか考えてたとこ」

『……どうせ来ないつもりなんでしょ?ユズ、あれから一度も帰ってきてないもの』

何気なく吐いた嘘はあっさりと見破られてしまった。

『たまには帰ってきたら?私も久しぶりに会いたいし』

「でも、泊まる場所もないから」

『うちに泊まればいいじゃない。うちの両親ユズのこと気に入ってるから喜ぶよ』

そこまで言われてしまったら断るに断れない。

「……わかった、行くよ。メイコにも会いたいし」

私は観念して同窓会への参加を決めた。

『じゃあユズも参加ね。私から高井戸くんに伝えとく』

「よろしく」

この話はこれで終わり。その後お互いに近況を話し合い、「会えるのを楽しみにしてる」と言って終話ボタンを押した。



その夜、久しぶりに"彼"の夢を見た。

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