初恋リミット
茗子の部屋はすっきりと片付いていて綺麗好きな茗子の性格を表しているみたい。
「怜士とは中学校で会ったのよね?」
茗子はベッドの上に座ってそう尋ねてきた。
「そう。中学校を見てたら怜士がいたの。超美人な彼女と一緒だった」
私も茗子の隣に腰を下ろす。
「……成美ね」
「ナリミ?」
茗子はやれやれと言わんばかりにため息をついてから彼女の説明を始めた。
「津川成美。中2の始めにユズと入れ替わるように転校してきた子で、その頃から付き合ってる怜士の彼女よ」
「中2から!?じゃあもう7年?」
「そ。大学を卒業したら結婚するって話が出てるくらいよ」
「うひぇー」
あまりに突飛な話しすぎてアホみたいな声しか出てこない。
そうか、怜士は怜士の道を歩いてるんだ。私だけが立ち止まってたんだね。
そう思ったら胸がチクリと痛んだ。
「私達が今疎遠なのはその成美のせい。成美は怜士が他の女といることを嫌がるみたいで、怜士は次第に私達から離れるようになったの。……正直言うとね、私、怜士はユズが好きなんだと思ってた」
「……違うよ。確かに私と怜士の間には特別な感情がある。でもそれが恋愛感情とは限らない。怜士はきっとあの約束があるから私を……」
「約束?」
8歳のとき怜士に『ずっと一緒にいる』と約束した。私はその約束をしてからたった5年で破ってしまったけれども。
「私最低だ」
そう呟いて両手に顔を埋めた。
「もう、ユズ!約束って何?自分だけで完結させないでよ」
手の隙間からチラッと隣を見ると、茗子が焦れったそうにこっちを見ていた。
「ごめんごめん」
そう言って顔を上げた。それとともにため息が零れる。
あの約束は決して楽しい思い出ではない。だからあまり人に話したい内容でもない。
茗子は怜士の家のことを知っているし、きっと察してくれるだろう。そう思って口を開いた。
「……8歳のとき、怜士と『ずっと一緒にいる』って約束したの」
あの頃のことを思い出すと胸が苦しくなる。
怜士が苦しんでいるとき、私はただ側にいることしかできなかった。
「怜士とは中学校で会ったのよね?」
茗子はベッドの上に座ってそう尋ねてきた。
「そう。中学校を見てたら怜士がいたの。超美人な彼女と一緒だった」
私も茗子の隣に腰を下ろす。
「……成美ね」
「ナリミ?」
茗子はやれやれと言わんばかりにため息をついてから彼女の説明を始めた。
「津川成美。中2の始めにユズと入れ替わるように転校してきた子で、その頃から付き合ってる怜士の彼女よ」
「中2から!?じゃあもう7年?」
「そ。大学を卒業したら結婚するって話が出てるくらいよ」
「うひぇー」
あまりに突飛な話しすぎてアホみたいな声しか出てこない。
そうか、怜士は怜士の道を歩いてるんだ。私だけが立ち止まってたんだね。
そう思ったら胸がチクリと痛んだ。
「私達が今疎遠なのはその成美のせい。成美は怜士が他の女といることを嫌がるみたいで、怜士は次第に私達から離れるようになったの。……正直言うとね、私、怜士はユズが好きなんだと思ってた」
「……違うよ。確かに私と怜士の間には特別な感情がある。でもそれが恋愛感情とは限らない。怜士はきっとあの約束があるから私を……」
「約束?」
8歳のとき怜士に『ずっと一緒にいる』と約束した。私はその約束をしてからたった5年で破ってしまったけれども。
「私最低だ」
そう呟いて両手に顔を埋めた。
「もう、ユズ!約束って何?自分だけで完結させないでよ」
手の隙間からチラッと隣を見ると、茗子が焦れったそうにこっちを見ていた。
「ごめんごめん」
そう言って顔を上げた。それとともにため息が零れる。
あの約束は決して楽しい思い出ではない。だからあまり人に話したい内容でもない。
茗子は怜士の家のことを知っているし、きっと察してくれるだろう。そう思って口を開いた。
「……8歳のとき、怜士と『ずっと一緒にいる』って約束したの」
あの頃のことを思い出すと胸が苦しくなる。
怜士が苦しんでいるとき、私はただ側にいることしかできなかった。