roulette・4

毎年繰り返しやってくるクリスマスには、パパの横にちょこんと彼女がすわり、見せつけるようにパパの袖口を掴み手を繋ぐ。



いつもいつも

ねぇ…パパ

と私は言葉にならない声をだし、私だけに振り向いてもらえるように、視線をパパだけに向けていた。



パパは私だけのパパなんだから…



たとえ同じ顔でも、嫌。


彼女が嬉しく笑うのも嫌。


パパが彼女に笑いかけるのも嫌。


嫌…―


いや…。



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