星になっても




それから

美菜が助けた男の子に会いに行った。





―あたしが助けた男の子に、突き飛ばしちゃってごめんねって。

あとその子のお母さんに胸を張って生きてくださいって―






そのことを

男の子の母親に伝えた。





いくら事故でも

自分が美菜を殺してしまったと

責めづけていた母親は

涙を流して俺に謝った。





謝り続ける母親に俺は言った。



「いうなら“ごめんなさい”じゃなくて“ありがとう”です…」





美菜だったらそう言うだろうなって思った。






「美菜ちゃんにもらったこの子の命、大切に育てます。


美菜ちゃんにありがとうって伝わりますように」







その言葉をきいた男の子の母親は

力強くこう言った。









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