Romance Cutter
―初恋の傷請け負い人―
第五話
「…どこにいってしまったのか。折角、左腕の傷という、心の扉を見つけたのに、それを開くための鍵がない!見つからない…」
ケイは考えていた。たった一つだけ、他の物とは切り口の違う、その傷。はっきりとは思い出せないでいたが、きっとそれは、今ケイが探し求めている、ロマンス・カッターによって傷付けられたものであろうと…だがそれは、未だ見つからず。
しかしそれは突然、ひょんな事から姿を現した。
「ひゃあっ!に、に、庭の桜の木の根っこのくぼみ辺りから、妙な小箱が…そ、そ、その中に…」
-小箱!!?-
ケイが駆けつけると、お手伝いのすみ江が、腰を抜かして地面にへたり込んでいた。
ケイは、妙な胸騒ぎを覚えながらも、そのすみ江のいる桜の木の下に駆け寄り、すみ江が凝視する、その一点に視線を向けた。
そしてケイは、頭をハンマーで殴られたかのような、激しいショックを受けた。相変わらず、人形の様に無表情ではあったが、身体が小刻みに震えて、目は大きく開かれていた。
ケイは考えていた。たった一つだけ、他の物とは切り口の違う、その傷。はっきりとは思い出せないでいたが、きっとそれは、今ケイが探し求めている、ロマンス・カッターによって傷付けられたものであろうと…だがそれは、未だ見つからず。
しかしそれは突然、ひょんな事から姿を現した。
「ひゃあっ!に、に、庭の桜の木の根っこのくぼみ辺りから、妙な小箱が…そ、そ、その中に…」
-小箱!!?-
ケイが駆けつけると、お手伝いのすみ江が、腰を抜かして地面にへたり込んでいた。
ケイは、妙な胸騒ぎを覚えながらも、そのすみ江のいる桜の木の下に駆け寄り、すみ江が凝視する、その一点に視線を向けた。
そしてケイは、頭をハンマーで殴られたかのような、激しいショックを受けた。相変わらず、人形の様に無表情ではあったが、身体が小刻みに震えて、目は大きく開かれていた。