キミが好き
…───────
─────────────
文化祭から1週間。
つまり、告白してから1週間が経った。
大して、進展もない。
でも、今のあたしには充分すぎるくらい幸せだった。
だって、今まで通り隣には山田がいるのだから。
「朱里、ノート!」
「え?」
「何でもいいから、ノート貸せって」
数学の授業中だというのに、つんつんあたしの腕をつつきながらノートをやれと言っている。
大人しく渡したノート。
帰ってきたかと思うと、そこには……
「岩永先生!」
そう、数学の先生そっくりの似顔絵が。
それにしても、はげた頭に、目元のおっきなほくろ、今時どこで売っているのか分厚い眼鏡をかけた中年の岩永先生を見事に再現していて。
おまけにこの顔、リアルで気持ち悪い。
「…くくっ」
やばい…うけるんだけど。
「な?似てるだろ?」
そう言って、自慢気な山田と一緒に声を圧し殺し笑っていると…
「浜野!山田!なにがおかしい!お前らは授業終わったあと職員室に来なさい」
って、怒られている先生にも関わらず笑ってしまったのは、山田が書いた絵も怒っていたから。
そっくりすぎなんだもん。