キミが好き



嫌……




───…嫌だ





このままじゃあ…




あたしは、気づくと山田を追っていた。





どうしても、山田に伝えたくて。




山田にだけは、勘違いして欲しくなくて。





でも…────





あっくんの腕が、そうはさせてくれなかったんだ。




後ろから抱きしめてきて、あまりにも消えそうな悲しそうな声で





「……行かないで。」






そう言うから。





とてもじゃないけど、あっくんの腕を振りほどくことなんて出来なかったんだ。




…───バカな女




なんで、あの時山田を追いかけなかったんだろう?





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