キミが好き





優くんはそんなあたしの気持ちを見透かしたように




「そんなことないと思うよ」




って。




「大丈夫だよ」




って、言うんだ。




でも、そんなこと言われたらあたしまた勘違いしちゃうよ。




期待しちゃうよ。





あたしバカだからさ…




「そうだといいな」




あたしは、そう言って優くんに笑って見せた。




すると、優くんは




「悠はさ、自分にも鈍感だけどさ、朱里ちゃんのことちゃんと見てる」





「………」





「親友の俺が言うんだから、間違いないよ?」





そう言って、笑う優くんに不思議なくらい気持ちが晴れた。




それと、同時に気づいたよ。




あたしはみんなに支えられてるんだって。




だから、山田を好きでいられるんだって。





今は、あたしが諦めちゃったら終わっちゃうような小さな小さな片想いの恋だけどね…?





きっと、終わりはしないよ。




ううん、あたしが終わらせない。





いつか大きくなって




この恋が実る、その時まで




あたしはキミを諦めない。









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