キミが好き
「ありがとう、優くん!大好きっ」
そう言ったあたしに、丁度登校してきた可奈が慌てて優くんとあたしを引き離す。
「優くんだけはダメー!」
もう、油断も隙もない、と怒る可奈にあたしと優くんは笑った。
「可奈も大好きっ」
「奈都もー」
みんなみんな
大好きだもん。
みんなに抱きついたあたしに、みんな優しく抱き返してくれた。
そんな、あたしを愛しい人が呼ぶ声。
「……俺は?」
ニカッと子どもっぽく笑う山田。
もちろん、大好き。
大好きなんだよ。
こんな、あたしの背中を3人が押してくれる。
「ほら、朱里頑張って」
「朱里、大丈夫」
「朱里ちゃん…悠が待ってる」
あたしはコクりと頷いた。
ちゃんと、話そう。
ちゃんと、山田に全部話そう。