キミが好き






「だー!わかったから…もう泣くなって」




泣きまくるあたしの頭を不器用に抱き寄せる山田。




「まだ、俺の話終わってないんだけど…聞いてくれる?」





そう言うと、あたしの肩に手を置いて目を見てくる。



その行動に恥ずかしくなって、俯くと山田はゆっくりと話し出した。




「…そいつにな、俺も、好きだって伝えた」





それだけで、逃げたくなる。




なのに、山田はそうはさせてくれなくて




あたしは、泣くのを我慢するしか出来なくて




「あたし…さ、諦めた方が…いい?」





こんなこと、聞きたくないのに…




こんな言葉しか出てこなくて…






苦しいよ………





< 152 / 220 >

この作品をシェア

pagetop