キミが好き




「山田!」



まだ、ブツブツ文句を言っている山田をみると



「あたしが好きなのは山田だけだもん」



山田しか見えてないんだよ?



山田が大好きなんだよ?



鈍感な山田が気づくまで。


安心するまで。



何度でも言ってやるんだから。



「大好きだよ」



そんなあたしに、真っ赤になった山田は



「バカじゃねーの?」



そう言って、近づいてきたかと思うと耳打ちしてきた。




「覚えとけよ、可愛いことばっか言ってると後で知らねーからな。」




甘甘な言葉と。



暖かい山田の息とで




とろとろに溶けてしまいそうだよ。




身体に上手く力が入らなくて。



ビリビリと麻痺しているみたいになった。




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