キミが好き




「あ、でも…山田が好きなマドレーヌも持ってきたの!見た目は悪いけど…味は大丈夫だからさ…」



サッと作ってきたマドレーヌを顔の横まであげて見せる。



なのに、山田はこっちを見る気配もなくて目にはどんどん涙が溜まっていく。



「あのね…っ…怒らせるつもりなんてなくて」



会いに行けば喜んでくれるなんて、あたしの考えが甘かったんだ。



気合い入れすぎて、差し入れのマドレーヌは空回り。


カッコ悪すぎだよ。



居たたまれなくなって、あたしは、楽屋を飛び出した。




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