キミが好き




…────────

───────────────



どんなにすれ違っていたとしても



どんなに会えなくて苦しくても



“別れ”なんて微塵も考えたことなんてなかったから、久々に2人ゆっくりしている休日にそんな話が出てきてビックリした。



「朱里、別れようか」



「………」



言葉も出なかった。



どうしてそういうこというの?



「あ、あたし……会えなくても大丈夫だよ?我慢出来る…この前みたいなこと絶対しないし…」



「…違うんだ、朱里」



「え?」



申し訳なさそうな、切ないような顔をする山田。



「…好きな人が出来た。」


「…え?なにそれ」



乾いたような声が出る。



あまりにも、ショックで涙も出ない。





< 198 / 220 >

この作品をシェア

pagetop