キミが好き






男の子にしては少し高めの、ソプラノ声だったのに。


すっかり、男らしい低くてセクシーな声。



時が経ち。



人は変わり。



気持ちまでもが変わっていく。



だから、あたし以外の人を好きになっちゃったことも全然不思議なことではないんだ。



それでも、あたしたちだけの過去や思い出。



恋人という位置に、同居。


すっかり、油断していたのかもしれないね。



話すことも少なくなっていたのに。



「山田。好きだよ…すごく好き」



だからといって、縛っちゃいけないよね?



「でも、今日で終わり。あたしたちいい友達になれるよね?」



山田 悠が友達なんだぞって、これから自慢してやるんだから。



「これで関係切っちゃうほど、あたしは弱くも脆くもないよ…芸能人が友達なんて素敵だもん。これからもよろしく」



ニッコリ笑って、強がった。



本当はね、


少しでも山田に会えなくなることが


山田との接点がなくなることが


死ぬほど、怖かったんだよ。





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