キミが好き
失恋の終わり
「ううー」
「朱里止めてよ、喫茶店で泣くなんてみっともないわ」
泣きじゃくるあたしの頭をポンポンと叩きながら、奈都がため息。
ずっと、泣けなかったのに奈都の顔を見た瞬間ドバッとありとあらゆるものが溢れてきて涙が溢れた。
山田と別れたことを伝えると、奈都はすぐに話を聞いてあげるからと仕事を休んでまで来てくれた。
「あたしね…っ」
「うん」
「まだ好きなの…ひっ」
大好きすぎてこの気持ちのやり場に困っている。
引っ越しの準備を進める度に苦しくなって、上手く準備が進まないし。
まだアパートを探しきれていないため、まだ一緒に住んでいるから山田の帰りが早く、別々寝るときはどうしようもなく切ない。
話し出すと止まらない涙と口。
それでも、奈都は最後までちゃんと聞いてくれた。
「グズ…少しすっきりした」
すっかり、鼻声で答えるあたしに化粧落としを差し出す奈都。
「顔ひどいわ、とりあえず化粧拭き取りなさい」
「あ、ありがとう…」