キミが好き





あらま。



「ノロケかな?」



ニヤリと笑いながら、少しからかう。



でも、優くんは笑ったまま


「悠もすごくいい奴なんだ…言わなくても朱里ちゃんはわかってると思うけど」


「…あ、うん」



いきなり、山田のことが出てきて少し動揺する。



そんなあたしを見ながら、続ける優くん。



「だから、今回の別れも理由があってのことで」



「うん、理由は聞いてるの」



山田を庇うような言い方が少し気に入らなかった。



別に、山田を嫌いなわけじゃない。



でも、なにも知らないくせに余計なこといってほしくない。



あたしの辛さも知らないで……



「好きな人が出来た、だろ?」



「…えっ?」



なんで知ってるの…?



知ってるうえで山田を庇うような言い方を…?





< 207 / 220 >

この作品をシェア

pagetop