キミが好き
そのあと、大広間に戻って勉強再開。
でも、可奈の頭の中は優でいっぱいだった。
ぼーっとして、シャーペンをクルクル回す可奈に1人の男が話しかけてきた。
「あ、可奈じゃん」
「…ユウ。」
そいつはユウといって、可奈の元カレだった。
「なーにやってんの?勉強しろや。わかんねーの?教えてやろうか?」
なんて、馴れ馴れしいユウに笑顔で答える可奈。
可奈だって、本当はあんまりいい気はしない。
斜め横には優くん。
自分のペースで解いていっていいので、周りには教え合いながら勉強をしている人達はいっぱいいる。
でも、優くんにだけは見られたくなかった。
「休憩してるだけー。だから大丈夫!」
笑ってやんわり断るもののユウは引き下がろうとしない。
「いーじゃん。俺たちの仲じゃん」
って、どういう仲だよ?
と突っ込みたい気持ちを抑えて可奈は
「ごめーん。集中したいからさっ」
また笑ってみせた。