キミが好き
「じゃあ、トイレ行くから。先、教室行ってて」
そう言うと、あたしは山田に背中を向けた。
泣いてるのがバレないように。
そんなあたしに気づいたのか山田は
「浜野 朱里。」
あたしの名前を呼ぶ。
「無理すんなよ」
ドクン。
「お前はいつも、1人で抱え込む」
ドクン。
「お前には、4人も親友いるだろ?」
山田の言葉が優しくて、温かくて、ますます涙止まりそうにないよ。
感動したじゃん、バカ。
「…ありがとね」
「ん」
「ありがとう」
でも、でもね、山田。
あたし、あんたのこと
友達だなんて親友だなんて一生思えないかもしれない。
好きなんだもん。
世界一
大好きなんだもん。
あたし、あんたから面と向かって振られるまで諦めないから。
諦めないって決めたもん。
今、諦めるような恋ならとっくの昔に終止符打ってるんだから。
恋する乙女をなめんなよ、山田。