キミが好き



「じゃあ、トイレ行くから。先、教室行ってて」



そう言うと、あたしは山田に背中を向けた。



泣いてるのがバレないように。



そんなあたしに気づいたのか山田は



「浜野 朱里。」



あたしの名前を呼ぶ。



「無理すんなよ」



ドクン。



「お前はいつも、1人で抱え込む」



ドクン。



「お前には、4人も親友いるだろ?」



山田の言葉が優しくて、温かくて、ますます涙止まりそうにないよ。



感動したじゃん、バカ。


「…ありがとね」



「ん」



「ありがとう」



でも、でもね、山田。



あたし、あんたのこと
友達だなんて親友だなんて一生思えないかもしれない。



好きなんだもん。



世界一
大好きなんだもん。




あたし、あんたから面と向かって振られるまで諦めないから。




諦めないって決めたもん。



今、諦めるような恋ならとっくの昔に終止符打ってるんだから。




恋する乙女をなめんなよ、山田。




< 42 / 220 >

この作品をシェア

pagetop