キミが好き
勢いよく、家を出たあたしの目に飛び込んできたのは……自転車を跨ぐ山田。
「よう」
「おはよ…」
って!
「なんでここにいんの!?」
「いるからいんの」
「あ、そっか」
じゃなくて!!
なんであたしの家の前に!?
いやいや、その前にもう8時すぎだよ?
もうすぐで、遅刻だよ?
「何してんの、バカじゃないの」
遅刻しちゃうじゃんか。
「…バカは浜野だろ?」
「えっ?」
「昨日、なんかおかしかったし」
…うん。
「学校来んのおせぇし。」
…うんうん。
「なに考えってかわかんねぇし…─っておい、なに笑ってんだよ?」
え?
あたし笑ってました?
「わ、笑ってないよ」
「笑ってんじゃん」
「笑ってない!」
「いいや、笑ってたね!今!」