キミが好き




「じゃあ、日曜日ね」



満面の笑みでそう言うと、可奈ちゃんはどこかへ行ってしまった。



そのまま、可奈ちゃんが出ていった方を、ぼーっと見ていると


「あ〜、優の好きなやつって可奈か」



「は!?」



後ろからニヤニヤした悠。


好きなやつ…?



あぁ、合宿のときのやつか…



あれ、流れで口からついポロッと出ちゃったんだよな。



「悠あのな…」



「いーって、いーって。何も言わなくても分かってっからさ。俺ら親友だろ?」


悠はなにを勘違いしたのか、謝ろうと口を開いた俺の言葉を遮りそう言った。



目をキラキラさせて、友情とかなんとかずっと隣で語り続ける悠。



「やっぱ、持つべきもんは親友だな?お互い頑張ろーぜ!」



「あ、…あぁ」



何故か、本当のことは言えなかった。



苦笑いして頷く俺に、悠は満足そうに笑うと去っていった。



< 57 / 220 >

この作品をシェア

pagetop