キミが好き
「じゃあ、日曜日ね」
満面の笑みでそう言うと、可奈ちゃんはどこかへ行ってしまった。
そのまま、可奈ちゃんが出ていった方を、ぼーっと見ていると
「あ〜、優の好きなやつって可奈か」
「は!?」
後ろからニヤニヤした悠。
好きなやつ…?
あぁ、合宿のときのやつか…
あれ、流れで口からついポロッと出ちゃったんだよな。
「悠あのな…」
「いーって、いーって。何も言わなくても分かってっからさ。俺ら親友だろ?」
悠はなにを勘違いしたのか、謝ろうと口を開いた俺の言葉を遮りそう言った。
目をキラキラさせて、友情とかなんとかずっと隣で語り続ける悠。
「やっぱ、持つべきもんは親友だな?お互い頑張ろーぜ!」
「あ、…あぁ」
何故か、本当のことは言えなかった。
苦笑いして頷く俺に、悠は満足そうに笑うと去っていった。