キミが好き
そこから、10分も歩くと映画館に着いた。
俺はチケットを、渡すと中に入ろうとした。
なのに、ぎゅうと俺の腕を引っ張る可奈ちゃん。
え?なになに?
意外と力つえーし。
可奈ちゃんに引っ張られるがまま付いていくと、可奈ちゃんはニコニコとポップコーンを買っていた。
「ポップコーン一つ…あ、Lでお願いしますっ」
可奈ちゃんは、大きなカップを両手で持つと、嬉しそうに笑って
「やっぱ、ポップコーンだよね〜」
と言っている。
初めて女の子を可愛いと思った。
クスクス、と笑って可奈ちゃんを見ていると可奈ちゃんはどうしたの?と言うような目で見てくる。
「可奈ちゃん、可愛いね」
そう言った俺に、ポッと顔を赤くしたかと思うと、やたら笑顔になって。
コロコロ表情が変わる子だな〜そう思った。