キミが好き
次の日、奈央は突然姿を消した。
一通の手紙を残して。
…………
優へ
優、今までありがとな。
俺がいなくなって、せいせいすんだろ?
でも、俺は優に出会えてよかった。
優に会う前は、死ぬことばっか考えてた。
でも、優に出会えてすげー楽しくて楽しくて、俺なんかがこんな幸せでいいのかなんて思うくらい。
ごめんな、優。
こんな形で別れいうことになって。
俺さ、弱い自分が嫌いで嫌いで大っ嫌いで。
髪だっていきおいで染めたし。
強くなりたくて、男みてぇな格好して話し方して。
でも…、
中身はいつまでも弱くて。もう、限界だった…
優…こんな弱い俺を許して下さい。
優、ここからは女のあたしから。
あたし、優のこと好きでした。
迷惑かもしんないけど。
友達としてじゃなく好きでした。
本当は今もすごく大好きだけど、好きでしたって言うね。
だって、もうあたしは
…この世にいないのだから。
さようなら、優。
あたしの分まで生きてください。
…………
グシャリと音をたて封筒は、潰れた。
手紙は涙で、ぐにゃぐにゃになった。
でも、一番グシャグシャなのは俺の心だったんだ…