キミが好き
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「……俺さ…人を好きになんのが怖いんだ」
人を好きになって。
本気になって。
「もし、また失ったら…って…」
怖いんだ。
怖くて、怖くて堪らないんだ。
そう言いながら震える俺の手を、涙を目にいっぱい溜めた可奈ちゃんが握った。
「大丈夫…大丈夫だからね…」
そう優しく言って。
「優君…っ…人は、いつか死ぬの…だから…」
だから…
「あたしも明日死んじゃうかもしれない…っ」
「いなくなっちゃうかも、しれない…っ」
でも、
「でもね…、出来る限りあたしは優君の傍にいるよ…っ」
そう言った可奈ちゃんの目は、力強かった。
「優君が嫌がったって、離さないんだから…っ」
なぁ、奈央。
俺、もう人を好きに
なれないって思ってた。
奈央意外無理だって思ってた。
でも、人の気持ちって変わるんだな…
そして、俺の気持ちを変えてくれたのは…
強くしてくれたのは…
紛れもなく可奈ちゃんなんだ。
なぁ、奈央?
もし、本気で可奈ちゃんを好きになっても妬くなよ?