キミが好き
ガチャン…
そこに丁度タイミングよく外に出てきた山田。
「あ、はるちゃんっ、差し入れ〜♪」
「お、由梨、いつもありがとな」
出てきた山田に、笑顔で駆け寄る相良さん。
その後ろ姿は可愛くて可愛くて。
到底、あたしには真似できない。
「はるちゃん、今日なんかあんの?」
「あぁ…クラスのやつらとホームパーティー」
優しく笑って話す山田は全くあたしの存在に気づいていなくて
このまま帰っちゃおかな?
なんて考えちゃうあたしは、バカなのかな?
そのあと、ぼーっと2人を眺めていることしか出来ないあたしに話は進んでいた。
「はるちゃん、手伝うよ?」
「え、まじで?サンキュー」
今から買い出し行くとこだったんだ、と相良さんの頭をポンポンと撫でる山田。
ギュウ……
ねぇ、このまま気づかず行っちゃうの?
2人で行っちゃうの?
文句言いながらも楽しみにしてたんだよ?
そう思いながらも、声をかけることの出来ないあたしは、弱虫だ。
無視されたらどうしよう?
嫌な顔されたらどうしよう?
山田はそんな人じゃないってわかっているのに、
どうしても、声が出ないよ。