キミが好き




弱虫なあたしは、結局声をかけることも出来ずに2人の後ろ姿を見送る。



はぁ…──



これから、どうやって時間潰そう?



遅刻の理由どうしよう?



そんなことを、考え家に帰ろうとしたあたしに意外にも相良さんが振り返った。


「あ、あの子はるちゃんの友達でしょ?」



「え?あ…浜野来てたんか?」



やっぱり…気づいてなかったんだ…



「来てたんなら、声かけろよな?」



…ずっとここに居たのに気づかなかったのあんたじゃん。



「って、なに?泣いてんのか?」



「泣いてない!」




泣いてなんかないもん!



早く、相良さんと買い物行っちゃえばいいじゃん!



なんで、あたしに構うわけ?



相良さんに言われるまで、気づかなかったくせに!



そんなにあたし存在感ありませんか!?



それとも、相良さん以外見えないってか!?



ムカつく!ムカつく!ムカつく!



「あたし、帰る…」



可愛くないと思う。



自分勝手だと思う。



でも、相良さんと山田のツーショットなんて見たくないもん。





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