キミが好き
今の関係が壊れるの嫌なの。
「あたし、あんたに嫌われたくないの…!」
山田と口喧嘩はいつものことなのに、こうなるとなにも言えない。
嫌われたくない。
失いたくない。
そればかりで……
「なんだよ?それ…」
意味わかんねーし。
と言う山田に、あたしの涙は止まらなくなった。
「…うっ…う〜っ…」
だって、だって
あまりにも、山田の声が言葉が冷たくて
悲しくなっちゃったの…
寂しくなっちゃったの…
好きだから嫌われたくないの、なんて言えるはずもなく溜まった思いが涙となって溢れ出して止まんない。
「うわ…っ!ちょっと浜野、泣きすぎ!俺が悪かったから、なっ?」
慌てた山田が、座り込んで大泣きするあたしに優しく話しかける。
「ほら、泣き止めって。買い物行くんだろ?な?」
あのとき、みたいにあたしの涙を服の袖で拭ってくれる。