キミが好き




その行動が嬉しくて、言葉が嬉しくてまた泣いた。



そんなあたしを山田は落ち着くまで待ってくれる。



困ったように、頭を掻く山田に



困らせたくないという思いと。



あたしを見てほしいという思いが交差する。



「も…、大丈夫」



そう言ったあたしの頭をポンポンと相良さんを撫でたみたいにすると、立ち上がった山田。



「由梨、ごめん。手伝いはいいわ…浜野と行くから」


「…うん、わかった」




そう言うと、相良さんはじゃあね…と帰っていった。



その後ろ姿が、寂しそうで。



あたし、相良さんから山田を取っちゃったのかな?



相良さんも山田のこと……


なんて、敵の心配してしまうあたしはとことんバカみたいだ。





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