キミが好き
「とりあえず、絆創膏ちょうだい?あ、これが消毒液?」
そう言いながら、ガサゴソ保健室を探る山田。
「それよー」
おいおい。
先生も好き勝手やらせていいんですかー?
「来い、朱里」
そう言って、椅子をポンポンと叩く山田。
きゅん
今の仕草、好きかも…
なんて思いながら椅子に腰を下ろす。
「よし、手出して」
山田はあたしの左手を、掴むと消毒をかける。
血止まってて、どこを怪我したのかさえわかんないのに。
「ねぇー山田もういいって」
そう言って、絆創膏に手を伸ばしたあたしに山田は
「俺がやる」
とか言って。
やりたいだけだったんじゃないのか、と思うものの口には出来ない。