傷だらけの僕等
そう思ったその瞬間、目を覚ました先生と目が合った。


まだ少し焦点が合っていない。

2回目にあたしと目が合ったとき、先生の目はだんだん正気に戻っていく。


「うわ!!ごめん…
ってかなんでこんなことに…?
俺、昨日飲み会に行って…
すっげー飲まされて…」

一気にそう言ってあたしをその腕から解放する。

混乱してるみたいだったけど、先生はあたしの一つの変化に気付いた。


「え…?お前…体…びくっとしない…のか?」

うん。
そうだよ。
もう平気。
そう声に出したくて、でも出したくなくて。
あたしは頷いた。


「え…なんで…?」


あたしは先生の遮るように言った。


「先生…。」

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