傷だらけの僕等

「あたしの実の父親は死んじゃってる。
あたしが3歳くらいだったころかな…
写真ないから覚えてない。
母親はあたしが物心ついたときには男とっかえひっかえしてた。
んでそういう男たちも、母親にあたしって娘がいると知ると態度が豹変して、母親を捨ててた気がする。
その度あたしは母親に叩かれた。
叩かれる度に思ったよ。
なんであたしを生んだのって。
そんなに自分が苦しいなら生まなきゃいいのにって。」


想像以上だった。
確かに彼女の目に見える傷は多かった。
だから虐待も壮絶だったんだろうと思っていた。
だけど…
俺の想像はあくまで想像であって、真実じゃなかった。
そう痛感させられる。

俺は何も言えない。

彼女は話を続ける。