傷だらけの僕等
「で、彼女、声は戻ったの?」

「ああ。今朝いきなりね。」

「何?あんたが愛でも囁いた?」

「んなことするか。
声も戻ったし、俺が触っても平気になった。」

「え?触れなかったの?」

「おお。最初はびくつかれた。」

「それって男限定でそうなってるのかしら?
あたしが触っても大丈夫?」

「大丈夫なんじゃね?男で大丈夫なら女は大丈夫だろ。」

「彼女のこと、いろいろ聞けたみたいね。」

「え?なんで?」

「なんとなく。女の勘。」

「女の勘ってすげーな。」

「特にあたしのはね。」

「はいはい。」



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