傷だらけの僕等
* * *

彼女が不安げな顔で俺を見る。

「これ、俺の姉。朱音。」

「これって何よ?もっと丁寧に紹介しなさいよね。
はじめまして。
綺麗な顔してるのね…
身長も高いし、細いし…
脚長いしモデルさんみたいなスタイルね…
もし、こいつの家が嫌になったらあたしんちに来なさい。
我が誌のモデルとして雇ってあげるわ!!」

「お前一気に喋りすぎ。
混乱してんだろ?」

彼女は目を丸くさせていた。

「あら、ごめんなさい。
じゃ、早速メイクしましょっか?」

「え…?メイク?」

「あれ?あたしそのために来たのよね?」

「ああ。朱音に任せろ。
多分すっげー顔になる。
いい意味で。」

「え…?」

< 134 / 317 >

この作品をシェア

pagetop