傷だらけの僕等
先生とまた目が合う。
でもすぐ逸らされる。
あたし…ヘンなのかな?
似合ってない…とか?


「どーよ聡?
なんか言葉は無いわけ?」

「いや…。お前すごい仕事してんだな…。」

「あたしに対してじゃなくて!!
彼女に対してよ!!」

「ああ…」


先生があたしの顔をじっと見つめる。


「お前の前じゃ言いたくない。」

「何それ?」

「つーか行こうぜ。腹減ったし。
お前は午後から仕事だろ?」

「あー…つい夢中になってて忘れてた…。
あ、この帽子かぶってね。」

「あ、はい。」

「じゃ、邪魔者は退散するわよ。じゃーね。
理沙子ちゃん、またメイクさせてね!!」


朱音さんがいなくなった先生の家は静かだった。

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