傷だらけの僕等
* * *


家に着いて、彼女はソファーに座った。

俺も彼女の隣に座る。

彼女の過去を聞いたときとはポジションが逆だった。


「話して。美智さんのこと…。」


彼女は少し弱々しい声でそう言った。

その言葉に促されるように、俺は口を開いた。


「美智とは…大学1年のときに出会ったんだ。

美智が抱えきれないぐらいたくさんの本を持ってて、俺がぶつかった。
すっごいベタな出会い。
普通に拾ってあげて、謝って、その場は終わった。
また出会うなんて思ってなかった。

だけど、再会した。
サークルで。

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