傷だらけの僕等
『幸せは長く続かない』

この言葉はあたしにも痛いほど突き刺さった。

これはあたしにも言えることだった。

今の幸せ、それも『長くは続かない』

先生の言葉は続いた。


「6月くらいだったな。
彼女は突然姿を消した。
俺の前からいなくなったんだ。」

「え…?」

「俺が家に帰ったら美智がいなかった。
その日だけじゃなく、何日経っても帰ってこなかった。
美智が卒論を見てもらっている大学の教授のところにも行った。

『ここ最近顔を出していないから私も心配しているんだよ。』

って返事が返ってきて焦ったよ。
必死にかけずり回った。

そうしているうちに気づいたんだ。

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