傷だらけの僕等
少しずつ、過去に縛られていた自分を解放する。

美智との思い出を忘れてしまうことと、「過去」を「過去」にすることは違う。

そのことに気付く。

彼女の時は止まってしまった。

だけど俺は進む。



だから今は

泣かせてほしい。

前を向くために。

前に進むために。



彼女の背中に腕を回し、彼女にしがみつくようにして俺は泣いた。


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