傷だらけの僕等
先生には泣いてほしかった。

あたしが先に泣かせてもらって

すごく落ち着いたから。

泣くとすっきりしたから。



あたしにはどうしても

先生が無理して泣かないようにしているように見えたから。


先生はあたしの手を振りほどくことなく泣いた。

あたしもまた、なぜか涙が止まらなかった。

二人で泣いた。



あたしは頭の中で今日一日を振り返っていた。

< 171 / 317 >

この作品をシェア

pagetop