傷だらけの僕等
「寝たのか?」

先生の声にハッとして目を開ける。

「寝てないよ。」

「風呂あいたよ。」

「分かった。」


あたしはバスタオルと下着とパジャマを掴んでバスルームに向かう。


一枚一枚服を脱ぐ。

鏡を見てぎょっとする。


「あたし…メイクしてたのに泣いたから…
ひどい顔。」


先生に晒さなくて良かった…


頬の殴られた痕も、腕や脚の傷も癒えている。

ここでは傷つけられることはないから、傷が増えない。

「あたしの体にこんなに傷がないのも…
なかなか珍しいかも。」

だから余計…

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