傷だらけの僕等
腹部にある古傷が目立つ。

先生は服を着ていても分かるところしか消毒をしない。

それはあたしに気を遣っているからだってことは分かってるし、あたしもあえて要求しない。

だから腹部の傷の治りが一番遅い。

そもそもこの傷はかなりひどかったし。

一瞬、腹部に痛みが走る。


「忘れるなってことかな…
痛みを。」


あたしはそっと扉を開けて、湯船に入った。



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