傷だらけの僕等
このあともゆったり時間が続く。

それが日常。

もう俺の体に染みついてしまった日常。



「お風呂いいよ。」

「ああ。ってお前また髪の毛それかよ。」

彼女は割と自分のことには大雑把というか、自分への関心が薄く、髪もろくに乾かさないで寝ることがある。

「ちょっと来い。頭。」


素直に来る。

それが可愛くて、俺は毎日のように彼女を呼ぶ。

一通り彼女の髪を乾かし終わってから俺は風呂に入る。

出ても彼女はソファーに座ってテレビを見ている。

俺が出てきたことに気付くと少し笑顔を向けてくる。


心地よくて、もう手放せない日常。

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