傷だらけの僕等
つくづく人は見た目なんかじゃわかんないってことを痛感させられる。

「君の年齢は…まぁいい。ひとまず。
とにかく何食べたい?
うちに材料あったら作ってやる。」


彼女は顔をしかめた。


『なんであたしに優しくすんの?』

……。
特別に優しくしているつもりはない。
でも、放っておけなかったのも事実だった。



「俺、優しいのか?」

『あたしが出会った中で一番優しい人間。』


一体どんなやつに出会ってきたんだ?
そんな疑問が俺の頭をかすめる。


「俺が優しいとかそうじゃないとかどうでもいいから。
何食べたいんだよ?」

彼女はどこか腑に落ちない様子でペンを動かす。

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