傷だらけの僕等
「んじゃ、行ってくるから。」

「うん、行ってらっしゃい。

あ、先生!!」

「ん?どした?」

「あたし…
買い出し行きたいから鍵置いてってほしいんだけど…」

「買い出し…?
ていうか一人で外…出られるのか?」

「いい加減、あたしも成長しないと…ね。」

「無理するなよ。」

「大丈夫。」

「はい。」

先生はあたしの頭をくしゃくしゃっと撫でて、鍵を渡してくれた。

あたしの不安を分かっているみたいな眼差し。

「無理するなよ。」って優しい言葉。


先生のそういう優しさがあたしを確実に前に押し出してくれている。

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