傷だらけの僕等
「ずいぶん…な扱いだな。どうしたんだ?
俺を拒絶するなんて…
前はそんなことしないで素直に従っていたじゃないか。」



違う。

素直に従ってたわけじゃない。

何度だって心の中では拒絶してた。

体が抵抗することを止めただけ。



あいつはあたしの体をジロジロ見てくる。


「傷が…綺麗になくなってるんだな。
どこで飼われていたんだ?」


『飼われていた』

あいつの言葉があたしの頭の中で反響する。

あたしはやっぱりモノとしてしか扱われていない。

今も昔も。

それを痛感する。


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