傷だらけの僕等
「宮園聡」



あいつの口から先生の名前が出てきた。
そのことに驚愕し、あたしの震えが大きくなる。


「なんで知ってるのかって聞きたそうな顔だな。
この世の中、調べようと思えば何だって調べられるんだよ。」


金にモノを言わせて調べたんだろう。
金だけは無駄に持っているから。


ということは、あたしはこいつに前に見られてるということだ。


「お前分かってるのか。
宮園聡は教師だぞ?
お前もとんだ女だな。
仮にも教師の家に転がり込むなんて。
本当に、男を騙す術は母親直伝だとしか言いようがないな。」


あたしはあいつの動きを黙って見ていた。

あたしが軽蔑されることには慣れている。

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