傷だらけの僕等
お風呂から出て、あたしはいつもみたく先生に髪を乾かしてもらう。

この優しい手も…最後。

そう思うとまた涙が出てきそうになる。

ホント、涙腺が大分弱くなったなと思う。

先生に泣かせてもらったあの日から…

あたしの涙腺は弱ったような気がする。

良くいえば、あたしの涙腺が素直になったってことなんだろう。


先生に会えて、あたしは人間に戻れた。

そして明日、モノに戻る。


「はい。終わり。」


いつも通りの言葉なのに、ひどく悲しく聞こえた。

あたしは無意識に先生のシャツを掴む。


「ん?どうした?」

あたしはシャツをすぐさま離す。

「ごめん…。」

「ん?別にいいけど?」


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