傷だらけの僕等

「ありがと、さよなら」

* * *


「んじゃ、行ってくるから。
結構今日は帰り早いかも。」

「うん。気を付けて、行ってらっしゃい。」

あたしは笑顔でそう言った。

「ん、行ってくる。」


先生があたしの髪をくしゃくしゃっと撫でる。

あたしは愛しいその背中を見送る。


パタン…とドアが閉まる。


あんなに来ないで欲しいと思った朝は呆気なく来て…

あたしは先生の最後の背中を見送った。

先生に触れられた頭が熱い。

そしてきゅっと切なくなる。


「さよなら…だね。」

あたしは誰もいなくなった部屋に呟く。

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