傷だらけの僕等
あたしの涙腺がもつとも思えなかった。

ただでさえ弱りまくっている涙腺だ。

あてにならない。

先生の前で泣いてしまったら

優しく慰められてしまったら

きっと言ってしまう。

好きだってことも

戻るように脅されていることも…


そして先生は優しいから

あたしを助けるためにきっと自分の身を危険にさらす。

あたしのせいで先生に何か起こってしまうのが一番嫌だった。


だからこれでいいの。

ひどい女になればきっと先生も忘れられる。

忘れて先生。

あたしのことなんて忘れていいの。

先生との思い出はあたし一人が持ってれば充分だよ。

あたしはその思い出を手放したりなんかしないから。

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